『天晴城綺談〜百萬両の壺』作品解説

<出演>
ちょび安・・・山本泰弘
夜叉王・・・・佐藤正和
源五郎・・・・太田恭輔
ねずみ小僧・・金子伸哉
煩悩和尚・・・鎌倉太郎
宣教師ヨハネ・蘭 真人

<ストーリー>
 時代は江戸初期、太閤秀吉が生前、飛騨の山中に隠したという金銀財宝のありかが記された百万両の壺をめぐるお話。
 前田家の若殿・前田広安(山本)はちょび安と名をかえて江戸の町でしがない探偵になっていた。そこへ発明家・源五郎(太田)が現れ、百万両の壺を探してくれという。さっそく旅に出ようとするちょび安の前に盗賊・ねずみ小僧(金子)というライバルが出現。しかも、周りには色香に迷い続ける煩悩和尚(鎌倉)、旅好きの宣教師・ヨハネ(蘭)というろくでもない面々が寄ってくるが、ともかくちょび安は宿命の旅に出る。
 一方、甲賀忍者軍も壺の争奪戦に乗り出そうとしていた。頭目・甲賀弾正(蘭)と長老(太田)を軽く処分した妖剣の使い手・夜叉王(佐藤)は分身術を使う如月(鎌倉)と変化の術を操る陽炎(金子)の3人で甲賀を牛耳り、飛騨山中の竜河洞という、魔物が住む洞窟に向かう。
 甲賀山中で夜叉王と遭遇したちょび安は、陽炎や南蛮人の刺客・カステラ(蘭)らの再三の攻撃をしりぞけるが、険しい山々にはばまれ、竜河洞を探し続ける。 ちょび安は仙人(太田)の導きでようやく洞窟に辿り着いたが、そこに後をつけてきた甲賀3人衆が姿を現し、百万両の壺をかけて、最後の激闘がはじまった・・。

<解説>
 '96年以来の天晴シリーズ第6弾。そして'94年の『天晴城綺談』を大幅に改編しての再演です。相鉄本多劇場も2度目、蘭は1年半ぶりに復帰、'96年の強行日程の反省も生かし、ある程度満を持してのシリーズ作でした。
 また、オリジナル作品としては初の再演でしたが、前回がまだ学内公演だったこともあり、殺陣・ダンスなども含め、当然、前作から大幅にバージョンアップ。当時人気があった「もののけ姫」のパロディもあり、大・小道具の多さもちょっと他では見られない量でした。
 キャラもリニューアルされ、ハイテンションかつ狂気の夜叉王(佐藤)や、どんな些細なことも無理矢理下ネタに持っていく煩悩和尚(鎌倉)などが客席からの評判が良かったようです。主役の山本はやはり、ひたすらツッコミまくり、太田は物語の鍵を握るちょび安のお目付け役で各場面に変装して登場、全てジジイでした。金子のねずみ小僧は、衣装は何故かミッキーマウス。蘭は、シリーズ作で時代に関係なく必ず出るヨハネで復活、ここ数作で見始めたお客さんは困惑気味の様子。ともあれ、この作品からブラボーカンパニーは改めて動き始めたといえるでしょう。
 そしてこの後、メンバーは更に発展するため、約7か月の修行期間に入りました。
 
 
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